横浜市泉区の和泉川にサケが遡上(そじょう)しているのが分かった。
県内では珍しいサケの産卵風景を見ようと、川岸には多くの住民らが詰
めかけている。藤沢市内を流れる境川の支流で、境川との合流地点から
約1キロ上流の「下和泉橋」のたもとでサケを見つけた。すぐに市に連
絡し、泉区泉土木事務所の職員も現地で確認した。7年前にも一度、同
じ場所でサケを見つけたが、その後は見かけることはなかったという。
サケが生まれた川に4年ほどで戻ってくる「母川回帰」の生態は一般的
によく知られている。しかし、同土木事務所では和泉川で近年、稚魚を
放流した話は聞いたことがないという。境川との合流地点から境川を数
キロさかのぼった場所で、藤沢市立長後小の児童が、昨年初めに20匹
ほど放流したが、まだ月日もたっておらず、同校も「そのサケかは分か
らない」と話す。独立行政法人水産総合研究センターさけますセンター
(札幌市)によると、サケの母川回帰は「数%の割合で違う川を遡上す
ることがある」といい、「迷い込んでしまったサケでは」との見方だ。
川岸には、産卵風景を見に連日多くの人が訪れており、7、8日の土、
日には、数百人に上ったという。同土木事務所では「サケをつかまえた
り、いじわるしないでね」と呼び掛ける看板を設置した。ほのぼのとし
た話題ですね。